「私のボクシング人生の要所要所で、このようにプラスに転じることばかり起きる。もう、私にはボクシングの神様がついているとしか言いようがない(笑)。」

運動音痴だった私が、なぜ、金メダルに辿り着けたのか。もちろん、コツコツ努力することが嫌いじゃない私の性格が生きたこともあるのでしょうが、私のボクシング人生は本当に運に恵まれていたんですよ。

小学6年生の時に、5年生から出場できるジュニアの全国大会が日本で初めて開催されることに。それで公式戦の経験を積めるようになったんです。

そして中学に入ったタイミングで、ボクシング連盟がジュニアの育成に力を入れることになり、第1回の全国合宿が行われ、私もその合宿に参加することに。全国から集められた強豪選手に囲まれ、モチベーションが高まりました。

ボクシングは小6までと考えていたのに、どんどん周りの環境が整い始めたんです。それは自分の力ではどうにもならないことじゃないですか。ラッキーなタイミングに乗って、高校2年と3年の時に全日本選手権のジュニア部門を連覇しました。

さらに幸運は続いて。もちろん、その時点で東京五輪は目指していましたが、当時の私の階級はフライ級(51kg以下)。身長164cmの私には減量がきつく、出場は厳しいかも、と思っていたところに、東京五輪からフェザー級(57kg以下)が採用されることになったんです。

私のボクシング人生の要所要所で、このようにプラスに転じることばかり起きる。もう、私にはボクシングの神様がついているとしか言いようがない(笑)。五輪で金メダルまで獲らせていただいて、「神様、ありがとうございます」と声を大にして言いたい気分です。