雷に打たれたように恋に落ちて
五輪直後はゲーム会社への就職も考えていたが、やはりカエルの研究を極めたいと猛勉強し、東京農工大学大学院農学府に合格。4月から心機一転、将来はカエル博士を目指す。
――カエル、ホント可愛いですよね~。ただ、小さい頃から生きもの好きだったわけではありませんでした。高校時代、は虫類や両生類が大好きな友達がいて、彼女から多少影響されていたのですが、突然恋に落ちた感じです。(笑)
ある日、高校の友達と話しながら自転車で走っていたら、アジサイの木にぶつかってしまいました。そして、顔に何かが落ちてきた。何だろうと思ってよくよく見ると、小さなアオガエル。つぶらな瞳とちょっと角張った体形、そしてカエル独特の動きに、心が鷲掴みにされたんです。雷に打たれたように!
そのカエルをペットボトルに入れて持ち帰り、しばらく飼育していたのですが、脱走してしまって。その後も、ベルツノガエルの「千代子ちゃん」、ヒキガエルの「高橋さん」など何匹も飼いました。今は、クランウェルツノガエルの「ジャイ子」を溺愛しています。
東京の都心にもカエルはいるんですよ。時間があると、お気に入りの渋谷の神社にカエルを探しに行きます。ヒキガエルがいるんです。
カエルの研究を極めたいと考えたのは、もちろんもっとカエルの生態を知りたいという好奇心からですが、COP15(気候変動枠組条約第15回締約国会議)などでも話題になったように、地球の温暖化の影響で生物が大きな負荷を受けているという事実に危機感を覚えたからでもあります。
身近な生きものであるカエルを通して、子どもたちに生物多様性を理解してもらいたいし、生態系が崩れる怖さを訴えていきたい。このままだと地球はやばいぞ、って。
目指すは「さかなクン」のカエルバージョンです。良き《カエル人》になって、カエルの愛らしさと環境保全の重要性をアピールしていきたいです。カエル人生でも、運と縁を味方につけられればいいな。