外出はトラップだらけ

大人になると、さらにいろんな差が見えてくる。
世の中にはショートスリーパーとロングスリーパーがいる。
知人は4時間寝ればスッキリというザ・ショートスリーパー。つまり一日の稼働時間が20時間。おまけに超健康体だという。

一方私は、睡眠時間が7時間以下だとこれまた日中肺が痛い、呼吸が浅い、頭痛や目眩といった症状に悩まされる。
また、異様に疲れやすく、10時間くらい寝ないと体調が回復しないことはしょっちゅう。
睡眠時間が長いと、ゆるい生活をしてる、だらしないみたいに思われがちだけど、寝ないとリアルに生活が崩壊するし、仕事や日常生活に支障が出まくりなので、周囲に迷惑をかけないためにも絶対に睡眠時間は確保しなければならない。

時間以外にも、めちゃくちゃ不平等だな、と思うのが医療費だ。
同僚との何気ない会話で、「今日気圧やばくて頭痛薬飲んだ~」「この前病院行ったときに~」なんて話すと、「私頭痛薬や胃腸薬飲んだことないんだよね~」と言われたことがある。
鎮痛剤が手放せないというと、心配してくれて「薬飲まないほうがいいよ~クセになるから~」と言われることがよくある。

それはそのとおりだし、できれば私だって飲みたくなんかない。
でも、気圧や冷えなどちょっとした刺激であっという間に偏頭痛がおき、血管が脈打ち光や音に過敏になり、強烈な頭痛に襲われる。
先日、夜外で友人を5分ほど待ち、一緒に強風の中を歩いたら寒さで足が冷え、帰ってから頭痛で寝込んだ。防寒は万全だったが外出はトラップだらけである。

『死にそうだけど生きてます』(著:ヒオカ/CCCメディアハウス)

以前の連載で、鎮痛剤の過剰摂取のことを書いたが、機能不全家族で育った人はトラウマ症状や、無意識に顔色を伺い対人ストレスがかかる、原因不明の体調不良に悩まされる、ということがよくあるらしい(もちろんそうとは限らない場合もある)。

「貧困虐待家庭に育った後遺症か。治らない頭痛は鎮痛剤の過剰摂取だった。自分が殴られていなくても、〈虐待被害者〉なんだと気づく」