ご快復の途上でも人々の役に立ちたいと願って
こうした皇后雅子さまの笑顔を見ていると、ご病気であることを忘れてしまいがちになる。皇后になられて、ご自分のやりたいことができるようになってから表情がまったく違ってきたという見方もあるが、昨年12月9日の雅子さまの56歳の誕生日に発表された「医師団見解」の中にも、
〈皇后陛下には、依然としてご快復の途上にあり、ご体調には波がおありです。そのため、大きい行事の後や行事が続かれた場合には、お疲れがしばらく残られることもあります〉とある。
皇后雅子さまのご病気が快復に向かっていることは事実だが、皇后としてメディアに出る機会が多くなったために変化されたと捉えられがちなのかもしれない。
「実際には、東宮妃の頃と同じように、今できるお務めをなさっておられるのだと思います。皇后さまご自身が皇后としての責務を務められたいと強く思われていらっしゃいますので、ご病気と向き合われてご体調を整えながら臨んでいらっしゃるのです」(宮内庁幹部)
雅子さまには、あまり頑張らないでいただきたいという声をよく聞く。私自身もそう思っていた。だが雅子さまを取材していると、真面目なご性格といったものだけではなく、皇族というお立場になってみなければ分からない生き方があるのだろうと考えるようにもなった。だから雅子さまは、皇室のお務めをなさっている時が幸せなのかもしれない。
雅子さまは「皇后の務めをなさりたかったというのではなく、役に立ちたいと思われてきたんです。外務省時代も同じでした。日本の外交のために役に立てるならばと思ってきたことが、今は皇后として陛下を支えられて国民のために役に立てればと考えていらっしゃると思います」(外務省時代の友人)
おそらく、それはかつての上皇后美智子さまも紀子妃殿下も皆そうなのだろう。それだけ覚悟をもって、皇室入りされてきたのだと思う。