ネットでは「テレビは終わった」といった声が見られるようになって久しく、実際、若者を中心にテレビ離れが進んでいると言われます。一方、テレビ局に27年間在籍し、数々の番組の制作現場に携わってきた鎮目博道さんは「中の人」だからこそわかる問題点を各種メディアを通じて主張してきました。その鎮目さんいわく、そんな中でもテレビ東京のバラエティが魅力的なのは独自の”必勝法”があるからだそうで――。
テレ東バラエティが「オンリーワン」で魅力的な理由
「テレビ東京のバラエティは独自路線を突き進んでいてすごい」と言われることは多いですよね。
「テレ東は攻めていて面白い」とか「オンリーワンだから好き」などの理由で、会社の規模は小さいながらも好感度が高いのがテレビ東京だと思います。
じつはテレ東には他局には真似できない「バラエティの必勝法」があるのです。
まず、テレ東バラエティの根本は、「制作費をいかに安く済ませるか」というところからスタートします。
残念ながらテレ東には、他のキー局ほどお金がありません。どこかでお金を切り詰めなければ番組制作ができないのです。では、どこを抑えるか?
少し根本的な話になりますが、バラエティ番組は「ロケVTR」と「スタジオ」で構成されている場合が多いです。
そして、日本のバラエティ番組の主流は「いかにスタジオにお金をかけて豪華にするか」で他番組との差別化を図っています。
となると、「いかにたくさんの人気者をスタジオに揃えて面白いトークをさせるか」が勝負となります。
その結果、『アメトーーク』や『しゃべくり007』のように、ひな壇に豪華ゲストを揃えてトークをくり広げる「トークバラエティ」が、いまのテレビの主流となってきました。