軟骨がすり減ると半月板が割れることも

さらに心配されるのが、半月板への影響です。

「軟骨と半月板は、ぴたりとかみ合うことでひざを支えているのですが、軟骨がすり減るとかみ合わせが悪くなり、ある日突然、割れることがあります。60歳以上の日本人の半数以上は半月板が割れているといわれますから、それ自体は特別なことではありません。とはいえ、半月板が割れると、軟骨に負荷がかかり、すり減りが加速。また、割れて飛び出した半月板が靭帯にあたると痛みを感じるようになります。さらに、飛び出した半月板を骨が覆うことで棘(とげ)のような骨ができ、この棘が皮膚にあたることでも痛みが出るようになるのです」

こうした悪循環が重なって、ひざに症状が表れるのが変形性ひざ関節症、同様に股関節に症状が表れるのが変形性股関節症です。悪化すると、歩き出すときや立ち上がるとき、さらに階段の上り下りのたびにひざや股関節が痛むようになり、日常生活にも支障をきたしかねません。

「とくに変形性ひざ関節症は日本人の4人に1人が患い、その8割は女性ともいわれています。60代から急増するので、早めに手を打つことが肝心です」

※上記イラストは戸田佳孝著『1日半分のアボカドでひざの痛みはラクになる』 (河出書房新社)より改変