「良正院像」前話で家康とお葉の間に産まれた良正院こと督姫。江戸時代、東京国立博物館蔵。colbase

松本潤さん演じる徳川家康がいかに戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのかを古沢良太さんの脚本で巧みに描くNHK大河ドラマ『どうする家康』(総合、日曜午後8時ほか)。第10話では岡崎城近くの築山に瀬名(有村架純さん)が庵を開くと、訪れた於大(松嶋菜々子さん)は2人に子が少ないことを心配し「側室を迎えるように」と主張。そこで不愛想だが気の利く侍女・お葉(北香那さん)が選ばれ、一夜を過ごすことに――といった話が展開しました。

一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。第29回は「出産事情と後継者」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

お葉との間に産まれた娘について

前話で側室についてのドタバタがありましたが、結果的に家康と”お葉”こと西郡の局は一夜を過ごし、二人のあいだには娘”ふう”が産まれました。

今回はその産まれてきた娘についてのお話をしましょう。

なおドラマ内の設定では、お葉は男性が苦手で下働きのお美代(中村守里さん)と相思相愛の関係にあるとされていました。

「お葉には今後、側室の役目をさせない」と家康自身話していたこともあって、たぶんこの先、彼女らの存在そのものを主軸とするような展開はないと推測しますので、ネタバレにもならないのではないでしょうか。