残念やったな!ワハハ!
翌日、お気に入りのスカートに身を包み、意気揚々と待ち合わせ場所へ。
この格好を見たらなんて言うだろう?「たそにも衣装だね!」なんて言ってくれないかしら? ウフフ……♡弾む心を抑えながら皆さんの到着を待った。
そこへ……壮さんが現れた。
「壮さん……!」
スカートを翻し、壮さんの元へ。私のスカート姿を見た壮さんは開口一番、
「たそ! スカート可愛いやないか!」
と、一番欲しかった言葉をかけて下さった‼
わあい! 褒められたうれしい!と喜ぶ私。
だが次の瞬間、壮さんは、
「でも、ガニ股やな。スカートでその歩き方はヤバいで。残念やったな! ワハハ!」と、一番予想してなかった言葉もかけて下さった。
まるでジャイアンのように笑う壮さん。
私は誓った。
所作を身につけるまで、スカートを穿くのは止そう、と……。
※本稿は、『こう見えて元タカラジェンヌです 遅れてきた社会人篇』(左右社)の一部を再編集したものです。
『こう見えて元タカラジェンヌです 遅れてきた社会人篇』(著:天真みちる/左右社)
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