「たそ」が「たそ」である所以とは

なんとかして「たそ」が「たそ」である、本物である所以を証明しようと考えを巡らせた。

しかし、簡単には思いつかない。悩みに悩んだ挙句、私が私たる所以とは何ぞや……?と自分を見失った。

「たそ」が、「たそ」である所以とは……森羅万象、万物創造、唯我独尊……。

一度自分を見失ってから数分後……単純に、私にしか撮れなさそうな写真を載せりゃあええんやないか!という考えに行き着いた。

しかし……この投稿に写真はない。私は自分の写真を載せなかったことを深く後悔した。

インスタグラムとは、自分が本物であることの証明がこんなにも難しい世界なのか……‼

デジタルコミュニケーション初日、私はガッツリとSNSの洗礼を受けたのであった。

※本稿は、『こう見えて元タカラジェンヌです 遅れてきた社会人篇』(左右社)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
天真みちる 宝塚を卒業した男役が13年ぶりにスカートに挑戦した結末とは。鳳真由さんの接客術に乗せられ、壮一帆さんからジャイアンのように笑われる
元男役・天真みちる タカラジェンヌは卒業後、どんな職業に就くのか?千尋のごとく「ここで働かせて下さい!」と連呼して「出る側」から「創る側」へ
宝塚のモットー「清く正しく美しく」。退団し「すみれコード」で守られなくなっても座右の銘であることは変わらない

こう見えて元タカラジェンヌです 遅れてきた社会人篇』(著:天真みちる/左右社)

宝塚歌劇団で「情報量の多いおじさん役」として愛された天真みちる=「たそ」による大人気エッセイ『こう見えて元タカラジェンヌです』に、待望の続編が爆誕!
タカラヅカ退団後二週間で企業に就職して「歌って踊れるサラリーマン」になり、華麗なる歌劇団と一般社会のギャップにおののきながら、慣れない議事録作成、初めての脚本執筆、演出家への険しい道のりをタンバリン片手に突き進む。
フリーランス転向の決意、ひとりで生きていく覚悟を決めた直後に運命の人とまさかの結婚……そしてフィナーレは、歴代トップスターたちが総出演の『エリザベート ガラ・コンサート』への大抜擢!

地上に降り立った元タカラジェンヌ、右往左往のセカンドキャリア!