「相手軸」に立つことの大切さ

私はAさんには「相手軸」に立って考えるという発想が抜け落ちていると感じました。そこで「反省するだけではなく、自分が成長できるように意識を変えてみては?」とアドバイスをしたのです。

この場合の成長とは利他愛を学ぶこと。具体的にいえば、もしも自分が資料作りを上司に急かされていると想定し、そんなときに「今日の夕飯は何がいい?」と呑気なLINEが届いたらイラッとくるだろうな、と想像してみるということです。

「相手軸」に立つという学びを得て、Aさんは夫に対する言動をあらためました。

「私の夫に対するやさしさの正体は自己愛だったのですね」といっていたのが印象的。

その後、Aさんから「修復に成功しただけでなく、夫との絆が強くなったのを実感しています」という報告が届きました。

「相手軸」に立って「そういうことなら仕方がないかもしれない」と相手を理解することは、許すことに通じています。許すことができればストレスを手放すことができるでしょう。これが修復の第一歩。「相手軸」で考えることが関係修復の秘訣だといえるのです。

『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(著:岡野あつこ/サンマーク出版)