ジェーン・スーさんが『婦人公論』に連載中のエッセイを配信。今回は友人について。2年ほど前から桜林直子さんと意気投合して仲良くなったというスーさん。しかし意気投合と言っても、桜林さんとは、なにからなにまで、まるで違うといっても過言ではないそうでーー。(文=ジェーン・スー イラスト=川原瑞丸)

人付き合いの解像度

友人の桜林直子さん、通称サクちゃんとポッドキャスト(音声配信サービス)を始めた。喫茶店で隣に座る二人組の会話が漏れ聞こえてくる距離感で聴いてもらえたらと、「となりの雑談」という番組タイトルにした。

サクちゃんとの友人歴はまだ浅い。足かけ2年くらいだろうか。総合格闘家の青木真也さんに紹介していただき、あっという間に意気投合して、いまでは青木さん抜きで遊ぶことがほとんどだ。

意気投合といっても、価値観が似通っているとか、成育環境が近いとか、そういった共通点はほとんどない。私たちはなにからなにまで、まるで違うといっても過言ではない。

まるで違うことが、私たちを近づけた最大の要因だと思う。あまりにも異なるので、違いを話しているだけでどんどん会話が発展していく。お互いに新しい発見がある。人付き合いの解像度がグンと上がったような気にさせられる。

フリーアナウンサーの堀井美香さんもそうだが、若い頃だったら親しくなれなかったであろう人と親交を深められるのは、大人の醍醐味のひとつだ。