ラジオは日常を静かに照らしてくれる存在

ネット環境がなかったのでラジオの掲示板に投稿することはなかったが、同じ境遇の人の悩み相談を聞くことで、私の心まで軽くなった。
学校に行けないと、社会から疎外された感覚になる。
世界のどこにも居場所がないような、存在を肯定されていないような。
でも、ラジオを聴いているとき、不思議と社会と繋がっているような感覚がした。

ラジオは音声だけだからか、心に直接語りかけてくるような不思議な感覚がある。そこから聞こえてくる声に何度も慰められた。
ラジオを聴いている時は心が休まった。不思議な没入感があり、別の世界に入り込んだようだ。

『死にそうだけど生きてます』(著:ヒオカ/CCCメディアハウス)

そして、大人になった今でも、1人暮らしの家ではもっぱらラジオをつけている。
目で追う必要がないから、家事をしながらでも、ストレッチをしながらでも聴ける。そして流しっぱなしにしておくと廊下やお風呂場にいても少し聴こえてくるのがまた心地よい。
絶対に聴くのが中川家の『ザ・ラジオショー』。
大好きな中川家の仲の良い兄弟トークを聴くだけで幸せを感じる。
全国を出張した際の土地土地でのエピソードや、おじさん・おばさんのあるあるネタ、貧乏だった子ども時代のエピソードなど。全ての会話が漫才のようで、毎回しっかり笑わせられる。
私にとって、ラジオは生活にそっと寄り添ってくれ、心の隙間を埋めてくれ、日常を静かに照らしてくれる、そんな存在だ。

前回「ヒオカ「推しの〈ちゃんみな〉ライブ初体験。豊かさとは、最低限の衣食住だけで生まれるものではないのだと悟る」」はこちら