空前の建築ブーム

もう一つ、二つの国には共通項がある。

それは、ともに第二次世界大戦の敗戦国で、戦後の復興とともに、空前の建築ブームと生活様式の劇的な変化を経験したことだ。

もちろん、日本の伝統家屋は木造で、日本人の8割以上が新築に憧れている。

家屋の平均寿命が130年近く、7割が中古に住むイタリアとでは、古民家を守ることへの意識や修復の手間もかなり違う。

だが、はっきりしていることは、そんな少子高齢化と、生活様式の大きな変化を体験した二つの国で、今、突きつけられている大きな課題の一つが空き家問題だということだ。