トンビにみえた親も実はタカだった

いやいや、ちょっと待ってください。両親ともに学業成績がふるわなかったのに、子どもの成績は学年1位。トップクラスの大学に現役合格している例だって、ありますよね。

これは立派な「トンビがタカ」に見えるかもしれません。

『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』(著:高橋孝雄/マガジンハウス)

あるいは両親にまったく音楽の素養がなく、英才教育を受けたわけでもないのに、音楽家として成功している人もいるでしょう。これも「トンビがタカ」じゃないのか。実は違うのです。

まずは勉強が得意じゃなかった両親からトップランクの大学に現役合格する子どもがなぜ生まれるのか、という謎から。

そのご両親は、家庭の事情や時代状況などで、勉強する習慣がなかっただけかもしれないし、勉強のやり方がわからなかっただけかもしれません。

よき指導者に出会って学習環境が整っていれば、相応の学力をつけていたかもしれない。その可能性は否定できないはずです。

つまり、おとうさん、おかあさんも実はトンビではなくタカだったというふうに考えられるのです。