イラスト:おおの麻里
だるい、疲れるといった、普段感じているプチ不調。もしかすると、「鉄分不足」が原因かもしれません。日本人女性に多いと言われる貧血について、その予防と改善の方法を、ナビタスクリニック新宿院長の濱木珠恵先生に伺います。(イラスト=おおの麻里 構成=渡部真里代 取材・文=鈴木裕子)

 

月経や栄養不足などが原因

何となく感じる体の不調。その裏に「貧血が潜んでいる可能性がある」と話すのは、ナビタスクリニック新宿院長の濱木珠恵先生です。

貧血は、血液中の赤血球に含まれ、酸素の運搬役を務めるヘモグロビンが減少することで発症します。貧血にはさまざまな種類がありますが、最も多いのは、ヘモグロビンの材料である鉄分が不足する鉄欠乏性貧血。

「鉄分不足でヘモグロビンが作られなくなると、全身に酸素が行き渡らず、体中の組織が酸欠状態に。そのため、立ちくらみやふらつき、疲労感、頭痛、息切れなどの症状が起こります」(濱木先生。以下同)

貧血は男性よりも、圧倒的に女性に多いといいます。

「女性に多い理由は、月経や妊娠などで鉄分が失われるから。また、ダイエットや健康志向から、動物性たんぱく質の摂取を避けたり、粗食を心がけたりすることで、鉄分をはじめ造血に必要な栄養素が不足することも要因です」

WHO(世界保健機関)の基準では、成人女性の場合、ヘモグロビン濃度が12g/dL以下だと貧血と判定。ところが、ヘモグロビン濃度が正常範囲内でも、実は鉄分が足りていない潜在性鉄欠乏症に陥っている可能性があるのだそう。

「体内の鉄分には、酸素を運ぶヘモグロビンや、体の細胞や酵素に使われる鉄分と、緊急事態に備えて肝臓などに蓄えられる貯蔵鉄があります。何らかの理由で鉄分が不足すると、貯蔵鉄が血液中に放出され、ヘモグロビン不足をカバー。そのため、一見ヘモグロビン濃度は正常値を保っているように見えるのですが、貯蔵鉄が不足する状態に陥るのです」