2022年の『犯罪白書』によると、前年に刑法犯で検挙された人のうち、再犯者(道路交通法違反を除く)の割合を示す「再犯者率」は48・6%だそうです。受刑者たちの再犯を防ぐため、刑務所で「社会復帰プログラム」の授業をしているのは、吉本興業で約35年間「お笑い」産業を後方で支え続けた竹中功さん。その竹中さん「刑務所は『日本の縮図』」と言いますが――。
塀の中の高齢者
2022年版の『犯罪白書』によると、1年間に検挙された「刑法犯」(殺人・強盗・放火・強制性交等・暴行・傷害・窃盗・詐欺などの犯罪)のうち65歳以上の高齢者が占める割合が過去最悪の23・6%に上がりました。
総務省の国勢調査人口によると、我が国の総人口は、2022年8月1日現在、1億2508万人で、高齢者人口(65歳以上)は、3625万人(総人口に占める割合は28・9%)です。
総人口に占める65歳以上の者の割合が21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。
そしてこの言葉をお借りすると、検挙された高齢者たちの割合も全体の21%を超え、塀の中も「超高齢社会」に入ってきていると言えます。
そもそも高齢者は「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺等の被害者としての顔も大いにありますが、一方では万引きなどの窃盗から入所してくる「高齢犯罪者」としての存在も目立っているのです。どっちにしても困ったものです。
まさに現在の日本が置かれている「超高齢社会」が結果的に被害者、加害者のどちらをも増やし、振り子が大きく振れているように見えます。