刑務所は「日本の縮図」
ただ私がここで頼りとするのは憲法第13条「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」というものです。
私は、罪を犯したことは素直にそれを認め、刑事施設で「更生」して、その後、社会復帰するという形でいいと考えています。
もちろん、個々のことでは色々と問題点もありますし、時代とのズレは感じていますが、ここは憲法の精神に立ち戻りたいと思うのです。
高齢化により、手押し車で移動、ペースト状の食事、介護問題、高額医療、限られた仕事、家族や友人と絶縁、就職難……。どうですか、刑務所内のキーワードの全ては塀の外の日常と全く同じですね。
改めて刑務所は「日本の縮図」と言えることを確認した思いです。
※本稿は、『それでは釈放前教育を始めます! 10年100回通い詰めた全国刑務所ワチャワチャ訪問記』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『それでは釈放前教育を始めます! 10年100回通い詰めた全国刑務所ワチャワチャ訪問記 』(著:竹中功/KADOKAWA)
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全国の刑務所で続けている釈放前教育の実体験をもとに書き下ろした、涙と汗の刑務所訪問記。