自分史を書こう

この日は確かに準備の時点から男子刑務所とは全く違った、そこで初めて感じた「ゆるい」ムードがありました。

なぜか男子刑務所ほどの緊張感はありません。とはいえもちろんだらしないわけではなく、どこかの女子校のように居眠りする人など誰もいません。

前向きに話を聞き、反応も早くしっかりとした人が多くいましたので、講義も上手く進みました。

「自分史を書こう」「グッドコミュニケーションとは」などの講義を行い、「自分を知るためにインタビューをしてみましょう」ということでみんなと「言葉のキャッチボール」も行いました。

「自分史を書こう」で鉛筆の進まない人もいましたが、その時は横から「10歳の頃、放課後、誰と遊んでたの?」と聞くと「誰とも」と返ってきましたから、「じゃあ放課後は何してたのかな?」と聞くと「弟の面倒を見ていました」などと返ってきます。

10歳の自分へのインタビューを通して、その頃の記憶をたどってもらいます。そうして自分自身へのインタビューは、少しずつでしたが進んでいると言えました。

100歳の自分には「大きな病気とかはなかったですか?」「出所後、家族との関係は上手く戻りましたか?」などの聞き取りをしてくれていました。