夜の商売の裏側の“闇”を見せつけられた

当時の夜の銀座といえば、そのメインストリートは“花の八丁目、並木通り”です。銀座六丁目のアマンドの地下という立地は、同じ銀座でも“街外れ”もいいところ。

お店のスタッフを面接したり、スカウトしたときも、「店が小さい」「場所が悪い」などと言われて断られたことが何度もあります。

『銀座のママに「ビジネス哲学」を聞いてみたら - 40年間のクラブ経営を可能にした、なるほどマイルール48 - 』(著:伊藤由美/ワニブックス)

 

何とか軌道に乗ってきて現在のビルに移転した後には、スタッフや女の子を他店に大量に引き抜かれて営業もままならなくなるほどの妨害もありました。

知らぬ間に100人前もの高級寿司の出前を注文されたことも、勝手に注文された何十人前ものケータリングピザが突然届けられたこともあります。

残念なことですが、夜の商売の裏側の“闇”を見せつけられることが何度となくありました。

でも「絶対に店を守る」の一心で、逃げずにすべて正面突破してきました。あのときの私は「この店とともに力いっぱい走り続けて、そのまま倒れたって本望」というくらいの情熱と負けん気にあふれていたのです(今もほとんど変わっていませんが)。