お客さまの存在があればこそ
陰湿なやっかみなどに屈しない。叩かれたって簡単に折れやしない。小さな城を拠点に、その気概ひとつで戦い続けるうちに嫌がらせもなくなり、その後そうしたトラブルとはほとんど無縁になりました。
こうして『クラブ由美』が順風満帆とは言えない航路を進み続けてこられたのは、何よりもお客さまの存在があればこそでした。
何もない“ほぼゼロ”状態でオープンし、狭く小さく、場所も悪いという条件のなか、 ホステス時代や雇われママ時代に、私を贔屓(ひいき)にしてくださったお客さま方が、連日、入りきれないほど大勢いらしてくださり、お店の土台を支えてくださったのです。
昨今のコロナ禍でも、緊急事態宣言で16~20時までと営業時間が制限されたときに、16時の開店を待って早々と来店してくださるお客さまや、早い時間から同伴してその後の閉店まで過ごしていただけるお客さま。お酒の提供停止時に「お酒はいらないから」とお茶を頼むという形で通ってくださるお客さま。
そうした心遣いをいただいたからこそ、今も『クラブ由美』は銀座の街で生き続けていられるのです。