正常値にこだわる必要はない
そこで、私は、高齢になったら、血糖値に関しては「100mg/dl未満」といった正常値にこだわるのではなく、さほど高くない値で、本人にとって快い状態(ふらついたりしない)でコントロールするのが、ベストだと思います。
とりわけ、75歳まで生き延びた人に関しては、血糖値が多少高くとも、脳梗塞や心筋梗塞の発症率が、正常な人とさほど変わらないことが、さまざまな調査から明らかになっています。
さらに、糖尿病の薬には、飲んだときに「血糖値を下げる効果」はあっても、長期的にみると、「死亡率を下げる効果はない」薬が多数あることがわかってきました。
要するに、薬を飲んでも飲まなくても、寿命には関係ないということです。
というわけで、私は、体のふらつきや、頭がボケた状態になることを我慢してまで、血糖値を下げる必要はないと考えているのです。
※本稿は、『80歳の壁[実践篇] 幸齢者で生きぬく80の工夫』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
『80歳の壁[実践篇] 幸齢者で生きぬく80の工夫』(著:和田秀樹/幻冬舎)
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