反抗期ど真ん中の娘が放った言葉

ところが、ある時点から、台風の時の堰が切れた川のように、彼女が娘の話ばかり始めた。どうやら反抗期ど真ん中のようで、いつも攻撃的なことを言うらしい。中学生の頃まではおとなしい真面目な子だったのに、いきなり派手な格好をしてカレッジに行くようになり、家でまともに食事をしなくなって、自分のセミヌードを自撮りしてSNSに投稿しているのを発見したという。

「どうしてその投稿を見つけたの?」

と質問すると、やはり小学校時代のママ友の一人が教えてくれたという答えが返ってきた。そのママ友の娘が小学校時代に彼女の娘と仲がよかったので、心配しているというのだ。

絵=平松麻

「こちらの言い方が悪かったのかもしれないけど、そのことを話そうとしたら、『ビッチ』と呼ばれた。そんな言葉を言われたのは初めてだったからショックで……。あんな言葉を使う子ではなかったから」

と彼女は書いていた。その数日後、カレッジの個人指導教員から呼び出されたというメッセージが来た。カレッジ内にカウンセラーがいるので、予約を取って娘にカウンセリングを受けさせるべきではないかと勧められたそうで、かなり取り散らかった文面だった。

小学校や中学校の時と違って、カレッジでは親と教員が会う機会もほとんどないし、ほぼ初対面のような人から、自分の子どもにカウンセリングが必要だと言われたのがよほど気に障ったようだ。立腹の様子は言葉の端々から伝わったので、刺激を与えないよう、あたりさわりのないリアクションを返しておいたら、次の週にまたメッセージが来た。