親指に力を入れると、より緊張するのはなぜか

なぜ親指に力を入れると、緊張がより増してしまうのでしょうか? 

これはわたしの仮説なのですが、おそらくぎゅっと拳をにぎることで親指の血流が低下し、それが副交感神経の働きを下げてしまうからだと思います。

なぜなら、実験でも、親指を中に入れて拳をにぎったときのほうが、親指を外に出してにぎったときより、副交感神経の下がりかたが大きいからです。

『整う力 ─ ちょっとしたことだけど効果的な78の習慣』(著:小林弘幸/興陽館)

空手の達人は、けっして拳を固くにぎりません。

軽く指を曲げる程度で、相手に当てる瞬間だけ拳に力を入れます。

中国武術でも、拳をにぎるときは、かならず親指を外にしてにぎります。

さらに、ゴルフでもクラブを親指で強くにぎるのはタブーとされています。

そういうふうに武術やスポーツでの「技」も、おそらく長年、練習を繰りかえすなか、親指の力を抜くことが無駄な緊張をとり、最大の力を発揮することだと体得したゆえに編みだされたものなのだと思います。

ですから、みなさんも、これからはぜひ焦ったり緊張したときほど、意識してぱっと手を開き親指の力を抜いてみてください。

ちなみに、これはパニックになりそうになったときもおすすめです。