「いつかインティマシー・コーディネーターという仕事が不要な世の中になればいいですね」といった表現をされることもありますが、それも違うんじゃないか。
この仕事が「録音」や「照明」のように、インティマシー・シーンの現場に入るのが当たり前の時代になればいいのに、と私は思っています。
現在、日本でインティマシー・コーディネーターの資格を取得し、活動しているのは、私を含めて2人だけ。ありがたいことに関わる作品数は日を追うごとに増え、インティマシー・コーディネーターをやってみたいというお問い合わせも多くいただきます。
ぜひこの人にお願いしたい、と思える人もいるのですが、資格を取るには英語での受講が必須なので、それが高いハードルとなっていました。
この仕事を始めて、私自身の生活も大きく変わりました。現場の労働環境を整えたいと思って関わったものの、私が息つく暇もないほど多忙になり、まだ小さい娘に寂しい思いをさせている気がします。
この職業に就く人が増えれば、私ももっといい仕事ができるようになるはず。そこで日本語でも資格が取得できる研修講座を作ろうと、準備をしているところです。
これまで学んだことや経験をもとに丁寧に仲間を育て、誰もが楽しくいい作品作りができるよう、その一端を担っていきたいと思っています。