ソロ活動

N)本当にそうですね。ところで今、JILLさんが特に力を入れてる活動はなんですか?三味線の話もありましたし、ツアーもそうだと思うんですけど。

J)半分はPERSONZというものがあって、半分は自分のソロっていうのがあって…。
そのソロっていうのはいろんな意味でのソロで、昔は全部PERSONZだったんですよね。でもPERSONZはメンバーが一人でも欠けたらできなくなるかもしれない。すると、私はそこで立ち止まっちゃうので、それが絶対嫌だと思ったんです。50歳のときでした。

何のお膳立てもないと何もできなくなるのは嫌だと思って、2017年にソロ活動を始めたんです。
PERSONZはPERSONZ。ソロはソロで。そして自分のプランを立てて、70歳になったらこういうのをしたいなとか…。そんな気持ちで考えています。二つがちょうどいい住み分けになってる。

N)ソロ活動は長期プランができているのですか?

J)もうできてますね。「70歳くらいにはこうしよう!」というのは凄くあって今から準備しています。

N)やっぱりステージに立っていたいっていうところが大きいですか?

J)「イエーイ!!!」みたいな、いわゆるロックの王道のステージがコロナの間にできなかったこともあって、お客さんが目の前にいないと駄目だなっていうのが本当に分かりました。結構、そのことが具体的には分かんなかったわけですよ。コロナが来るまで。
ライブってお客さんとの一体感なんだって。
あと三味線JILL屋みたいに場所はお座敷でも全然できるステージだっていうのがある事にも気がついたので、何となく70歳になったときには自分の砦を作りたいなって。

N)砦とは場所?

J)あのね、イメージとしては瀬戸内寂聴さんの寂庵みたいな感じのJILL庵を作ろうかなと思って。みんなが訪ねて来てくれる所を全国に何ヵ所か作ろうかと。この何年間の間に、ご縁があって、たくさん知り合いができて、皆んな協力してくれるんです。でもね、コロナがなかったらこういうことは考えなかったと思う。コロナがあって今に繋がってるような気がするんですよ。コロナの時期、悪いことばかりではなかったな。いい意味で準備ができたって思います。

実は、一人の時間が長くて一日中外に出ないことも意外に好きなんですよ。結構、バンドマンは引きこもりタイプが多いから(笑) とはいえ、絵を描いてみたり、ステージで発散できないフラストレーションを何かに向けないとやっていられない。(笑)
それと、例えば、テレビをつけて悪い情報なんかが入ってきてしまうと心配になっちゃう。これから未来がどうなっちゃうんだろうって。そういう時は、今に向かおうとする。自分のやりたいことをまずやる。それは例えば、歌もそうだし、なんか自分でモノを作ったり…。いろんな邪魔なものが入ってきたときには何かやる。今に集中するみたいな感じですね。
それは若い頃はできなかったかな。