むしろ若い世代に心の老いが広がっていないだろうか

職場にもそういう見方はないでしょうか。

相手が上司であれ先輩であれ、「50過ぎの言うことはズレている」とか「いまのトレンドがわかってない」といった見方をして年齢で決めつけてしまいます。

『心が老いない生き方 - 年齢呪縛をふりほどけ! - 』(著:和田秀樹/ワニブックスPLUS新書)

トレンドを言うなら自分たちより高齢世代の意見にも耳を傾けてもいいはずですし、相手の年齢ではなくどんな意見があるんだろうと向き合うほうが自然な態度のように思えます。そのほうが心が柔らかくて自由です。

もし年齢で決めつけてしまう若い人が、自分の親の老いに向き合えばどうなるでしょうか。

やはり実年齢を当てはめて親の心の若さを無視してしまわないでしょうか。80歳過ぎた親が派手な色のセーターを着ただけで「いい齢をしてみっともない」と諭したり、楽器を習い始めたりすると「齢なんだからカネの無駄」と叱るかもしれません。

少なくとも「うちの親は気が若くていいなあ」とは喜んでくれないような気がします。

心の老いは、年齢が若くても始まることがあるし、むしろ若い世代のほうが心が老いてしまっていることが多いのです。