「若いほうがいい」と決めつけるのは頭が固い

日本は雇用の場でも「若いほうがいい」という考えが根強くあります。キャリアや能力が同じなら少しでも年齢の若い人材を選ぼうとします。

でも重労働や勤務時間が特殊な職場ならともかく、たいていの仕事は幅広い年代の人が従事しています。「若いほうが使いやすい」とか「覚えが早いだろう」「それだけ長く働いて貰える」といった理由で高齢者を雇用しないのは、本人の能力や個性でなく年齢だけを見ているからでしょう。

たとえば接客のようなサービス業に「若いほうがいい」という発想を持ち込むのは大きな間違いでしょう。コンビニのレジ業務でも、最近は意外に高齢の男性や女性が働いていたりします。

ケンタッキーフライドチキンで店長の雇用を65歳まで、店舗職員の雇用を70歳まで延長したというニュースがありました。

ディスカウントショップのドン・キホーテのように80代の高齢者を積極的に雇用している企業もあります。

もともとホテルやレストランの接客係には高齢の男性というイメージがあります。物腰が穏やかで、落ち着いている年代のほうが、客に安心感を与えます。

少しぐらい動作が鈍くても、バタバタと動き回られるよりは料理や雰囲気をゆっくりと楽しめるのです。

高齢者には長く生きてきて備わった長所があり、少なくとも一人ひとりにそれぞれの魅力や能力があります。

それを無視して「若いほうがいい」と決めつけてしまうのはいかにも頭の固い考え方ということになります。

※本稿は、『心が老いない生き方 - 年齢呪縛をふりほどけ! - 』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。


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