南さん「自慢話は2フレーズで終えて」と言いますが――(写真提供:ワニブックス)
認知症の予防や、健康寿命を延ばすためには、社会とのつながりを維持することが大切です。「同じ話を何度も繰り返す」「昔の自慢話ばかり」といった理由で、知らないうちに周囲に煙たがられている人もいることでしょう。「老けないための話し方のコツを教えます」と語るのは、元テレビ朝日アナウンサーで、話し方のプロである南美希子さん。その南さん「自慢話は2フレーズで終えよう」と言いますが――。

役に立つ話は、お金を払ってでも聴きたい

他人がありがたいと思うひとり語りは、基本的に有益性を兼ね備えた講演会だけと思ったほうがいいでしょう。

私が、毎年万障繰り合わせて出席している忘年会があります。

外食業やフードライターなど食関連の人々の集まりなのですが、第一に店のチョイスがいいので食事が美味しい。

さらに、会の終盤には食のオーソリティと歴史研究家による10分間スピーチが用意されているのです。

来年の外食産業はどうなるか、来年話題になるであろうレストランはここだという予測を外食評論家が語り、新年スタートのNHK大河ドラマの時代背景や主人公についての解説を歴史家がしてくれる。

役に立つばかりか、自分が話をする時のネタ元にもなる話が満載なのです。

酔いが回った頭にもかかわらず、慌てて手帳を取り出しメモを取ります。

私だけではなく、大半の人たちが箸袋や紙ナプキンに筆を走らせています。

こんなふうに役に立つ話は、人はお金を払ってでも聴きたいものです。