南さん「70年代にテレビ局に就職した私は、今でいうセクハラが日常茶飯事の中で生きてきました」(写真提供:Photo AC)
認知症の予防や、健康寿命を延ばすためには、社会とのつながりを維持することが大切です。「同じ話を何度も繰り返す」「昔の自慢話ばかり」といった理由で、知らないうちに周囲に煙たがられている人もいることでしょう。「老けないための話し方のコツを教えます」と語るのは、元テレビ朝日アナウンサーで、話し方のプロである南美希子さん。その南さん「アナウンサーは差別発言に関して厳しく教育された」そうで――。

セクハラが日常茶飯事の時代

「時代は大きく変わったからね~」

あらゆる時代の変化に関して、年配者の会話にはどこか他人事のような響きが感じられます。

もし本当にそう感じているのなら、自分自身が変わっていかなければならないと思います。

昭和生まれで、1970年代にテレビ局という民間企業に就職した私は、今でいうセクハラが日常茶飯事の中で生きてきました。

そもそもセクハラという言葉さえ存在しなかった時代です。

「まだ結婚しないの?」「早くいいお嫁さんにならないと売れ残っちゃうよ」などなど、この類いの言葉は耳にタコができるほど聞かされてきました。

これらの言葉を発する方もおそらく悪意はなく、純粋に当時の「行き遅れ」の行く末を案じていたのだと思います。

可愛がってくれていた上司の口からも幾度となく聞いた言葉です。