保険に入っていても……!

自由業のわたしの例でいうと、病院に行こうが行くまいが関係なし。月々の健康保険料が400ドル(約5万円)ほどでした。さらに病院に行くと3割負担なんて話ではありません。

『直訳やめたら英語が一気にできるようになった私の話』(著:岩田リョウコ/大和書房)

保険に入っていても自己負担額は毎回診察や検査などで100~200ドル、治療ともなるとどんどん上がっていきます。

低所得者は保険料が高いので、もともと保険に加入している人が少なく、そうなると病院では100%の支払いになります。もちろんそれが払えない人だっているわけで、その人たちはどうするの?って話ですが、答えは「踏み倒す」です。

そうなると、払っている人たちの医療費があがります。お金持ちはお金があるので払えますが、中間層には、ただでさえ高かった医療費がさらに高くなるのはキツイ話です。

今、アメリカの自己破産の原因の半数以上が医療費なんだそうです。というわけで、いろいろ考えると、日本の国民健康保険制度はすごく優れていたんだなと、アメリカに来て、はじめて気づきました。

わたしは歯の治療など少し待てるものは、帰国して治療していました。飛行機代を払ったほうがよっぽど安かったからです。おそろしいですね。

余談ですが、そんな高いアメリカの健康保険をなんとかしようと変えてくれたのがオバマ前大統領。保険料が高過ぎて払えなくて保険に入れない、病院へ行けない人を減らすための医療保険制度改革「オバマケア」をおこないました。わたしもオバマケアのおかげで月150ドルくらいに下がりました。