本当に、家事はめんどくさいものなのか?

そして、もう一つ。

便利なものが恐ろしいのは、家事を「めんどくさくてつまらないもの」にしてしまうということである。

だってそう人々に思わせなければ、モノは売れません。

ゆえに「洗濯......めんどくさいですよね。大丈夫ご安心を! 洗濯機にお任せください」「掃除......めんどくさいですよね。大丈夫ご安心を! 掃除機にお任せください」と大宣伝が展開される。

別にそれ自体は悪いことでもなんでもない。世の経済はこのようにして回っている。でもその宣伝文句が「真実」かといえば、それはまた別の問題だ。

本当に、家事はめんどくさいものなのだろうか。

というのはですね、面倒だと思っていた家事が、実際手でやってみるとそれ自体が案外楽しいんですよ驚いたことに!

例えば掃除。私は掃除機を手放してから掃除が大好きになった。ウソみたいな話だが掛け値なく本当のことである。

それが証拠に、我が部屋は掃除機をなくしてから圧倒的にきれいになったのだ。

だって手で掃除すると、汚れが目に見えるのがなんといってもめちゃくちゃ面白いんだもん。

真っ黒になった雑巾!

ホウキで掃いてちりとりに集まった大量のホコリ!

それらを見るのは「やった!」という充実感以外の何物でもない。

※本稿は、『家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。


家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択』(著:稲垣えみ子/マガジンハウス)

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