むしろ「武器」なんですけど
ところが、大学を卒業して芸人の世界に入ったことで、私自身はその土俵からあっさり降りることになりました。
一般的な女子大生になろうとしてもなれなかった自分は、どこにも居場所がないようなジレンマをいつも抱えていました。
でも、芸人になったおかげで、自分の存在意義が変わったとでも言ったらいいのかな。
芸人としては、押し並べた評価からあぶれたほうが断然勝ち! なんですよね(笑)。
つまり、普通じゃないほうがカッコイイ世界。それまで押し殺すべしと思っていた自分の個性――つまりはコンプレックスだった部分こそが武器になる。
そういう世界に飛び込んだことで“美”に対する捉(とら)え方も変わりました。
何より、お金や努力やメイク、演出などで、芸能人が別人になる瞬間を何度も見ていますからね(笑)。
モデルだって俳優だって、リアルはただの人間です。
さておき、“人とは違う部分”があるから仕事になってお金をいただけているという事実が、単純にとても嬉しかったんです。
だから今の私は、もうあの頃の土俵に舞い戻る気はゼロ。自分だけの評価軸を最重要視して生きていくつもりです。