元気な高齢者は立派な消費者である
65歳以上の高齢者で要支援・要介護の人は18%というデータがあります。この18%の人には、きめ細かな福祉の手を差し伸べていく必要があることはあらためて述べるまでもありません。
一方、この数字の裏を返せば、約8割の高齢者は自立して生活しているわけです。ただ現状では、この高齢者も「お金を使わず貯め込むだけ」と思われているのです。
日野原さんや五木さんがそれぞれ提唱した「新老人」の概念を踏まえて、あらためて私が「シン・老人」を定義するなら、「何歳になっても意欲や好奇心をもち、元気に出歩いて消費もする、社会とつながりを保って暮らす老人」となります。
また、「シン」とは単に「新しい」という概念だけにとどまりません。
失敗を恐れず、積極的に進歩的なことに挑む「進」、知識や考え方に深みがあり、洞察力に優れる「深」、意志が強く、信条を守り、生き方に芯がある「芯」、共感力や好感度が高く、誰からも親しまれる「親」、心構えが前向きで意欲や好奇心に満ちている「心」、元気に長生きするための身体ケアを怠らない「身」、品格があり、紳士淑女として立ち振る舞う「紳」など、さまざまな漢字に変換することができるのです。
「シン・老人」の「シン」には高齢者が自分らしく、若々しく生きるために重要なさまざまな漢字をキーワードとしてあてがうことができそうです。