高齢者こそ低迷する日本を救うカギ

80歳を対象にした本がネット書店でここまで売れるとは、私も想像していませんでした。

ただ考えてみると、さすがにこの年齢になると、書店に出かけるよりアマゾンなどで注文するほうが楽なのかもしれません。スマホをもつ高齢者も多いし、現役時代からパソコンに触れていたという人も多いのでしょう。

この“和田ブーム”で、出版社からは新刊の依頼が次々と来ましたが、テレビ局から「高齢者向けの番組を企画したい」というオファーは皆無、企業からも「高齢者向けに開発している製品やサービスへの意見が欲しい」という声はまったくかかりません。

あらためて「高齢者は消費者として忘れ去られている」と悟りました。

高齢者は、消費者として忘れ去られているどころか、医療費や介護費などで社会に負担をかける存在として、厄介者扱いされる風潮さえあります。

2025年には、いわゆる「団塊の世代」が全員75歳以上となり、日本の人口の2割近くを後期高齢者が占める見込みです。これが「2025年問題」として、日本の危機であるかのようにも言われています。

しかし私は、こうした高齢者層こそ低迷する日本の経済や社会を救うカギになると考えます。