「消費上手」な世代

高度経済成長期を過ごし、バブル期も体験しているので、買い物をするにも目が肥えています。

いわば消費上手な世代ゆえ、モノが売れなくて閉塞感が漂う日本社会の空気を変える存在になると思うのです。

高度経済成長期を過ごし、バブル期も体験しているので、買い物をするにも目が肥えています(写真提供:Photo AC)

元気だからお金を使う高齢者の「消費する力」。好きなことをした結果、元気になり、健康長寿につながる「消費がもたらす力」。

後者は、医療費や介護費など社会保障費の抑制にも直結します。

元気な期間が長ければ長いほど、消費者としてお金も使います。両者は相互に関連して、日本社会の構造を大きく変える影響力を発揮すると思います。

すでに、今の高齢者の多くが、家に引きこもって孫の世話をしながら“お迎えを待つ”という時代ではありません。

今後さらに、歳を重ねても元気で活動的な人が増加すれば、さまざまな場面で社会と関わりをもつ人が今以上に増えていくことは間違いないでしょう。

日本では1990年代の半ばから、消費不況が続いています。消費は落ち込み、生産はだぶついた状態から抜け出すことができません。

需要が低迷し供給が過剰となっている状況ですから、単純に生産性を上げれば上げるほど、需給ギャップは広がり、景気は落ち込んでいくのが道理なのです。