見た目にわからない障害や疾患を持った人もいる

この記事の続きで、”僕のような身体障害に限らず、見た目では分かりづらい障害がある人、様々な理由でヘルプマークをつけている人、マタニティマークをつけている人など、優先席が必要な人はたくさんいます。”

とあるように、優先席を必要としているのは見た目でわかりやすい人だけではない。優先席のマークは、杖を持った人、妊婦、松葉づえをついた人などが描かれているが、実際はそれに当てはまる人だけではない。障害の中では身体障害は目に見えて分かりやすいが、見た目では分かりにくい障害だってたくさんある。逆に、お年寄りでもフルマラソンに出たり登山をしたりと、若者くらい健康で体力のある人もいる。

優先席のマーク(写真提供◎AC)

一方、見た目は健常者そのものでも、例えば心臓などに疾患を抱えていたり、病気を持っていて長時間立つことが難しい人だっているだろう。妊婦だってお腹が出ていない時期、マタニティマークを付けてなかったり、見えかったりすれば、普通に健康な人と判断されてしまう可能性も大いにある(お腹が大きくても譲らない人が多いのがこの社会の現実だが)。

そう思ったときに、「優先席に座るべきでない」と判断した人に「注意する」という行為は、暴力的ではないだろうか。その判断材料は外形上の特徴でしかなく、どこまでも主観的で、独善的なものだ。もし、見た目にわからない障害や疾患を持った人が、日常的に優先席に座る場合、何度か注意されるなんてことがあったら、トラウマにもなりかねない。ヘルプマークもあるが、見落とす人も多いだろう。