33歳で昼間の仕事を辞める決意
退職後は塾で働いた。講師ではなく教室長として、進路指導や入塾生の面接を行う塾の営業、マネジメント部門に勤めた。
人と接するのはルーティンではなく、「どうすれば成績が上がるのか」「他の塾より生徒を増やすには」という目の前の課題に対して、データを分析して、実際に行動に移すことは面白かった。
週5~6日、フルタイムで働いていたが苦ではなかった。
名古屋のラッパーは基本的に昼間は別の仕事をしている。
名古屋でラップ一本でメシを食えている人なんてほとんどいない。
昼間は仕事して、夜は音楽というのが当たり前で、自分もそのひとりだった。
昼間の仕事とラップの両立の日々は忙しかったが、ラップのモチベーションは高かった。
制作に捻出できる時間が限られてくるから、少しの空き時間を見つけて、集中してリリックを書いたり、常に頭が回っている状態だった。
逆に全部の時間をラップやアーティスト活動に費やせるいまのほうが、ダラっとしてしまっている。
次第にラッパーとしても忙しくなってきて、週末のライブのギャラが昼間の仕事の給料を上回り、昼間の仕事を辞める決意をしたのが33歳のとき。