初めてのお給料で買った母の日のプレゼント

母はどんな時でも私を励まし、不安定な気持ちに寄り添ってくれていました。

その翌年に転移があり、背中が痛むようになってから、本来であればそう遠くないはずの高校への通学も困難になりました。そんな私を、少しでも多く高校へ出席させたいと、母は思い立って車を買い、一生懸命運転の練習をしてくれました。そうして、慣れない道路を運転しながら、私を高校まで送迎してくれました。

19歳になり、幸いにも病状が落ち着くと、私は社会復帰をするために、生まれて初めてアルバイトを経験しました。

この花束は、そのお給料で買った母の日のプレゼントです。

小さい頃から、母が好きだと言ってくれた私の絵で、長年に渡る母への感謝の気持ちを表しました。絵の中の花が、母への感謝の気持ちや、支えてもらった思い出と共に、忘れることがないように、朽ちることのないようにと思いを込めて描きました。

今も通院での治療は続いていますが、発症から7年経った去年、私は当時の同級生達よりもうんと遅れて、大学に入学することが出来ました。

おかあさん、ありがとう。


第13回 リリー・オンコロジー・オン・キャンバス
がんと生きる、わたしの物語。コンテスト 受賞作品一覧

・絵画部門最優秀賞『きらきらゆらゆら悔いなく自分らしく
・絵画部門入選『再生した私』