まだ山登りの途中だよって

ーー今でこそロールモデルとはっきり言える人はいないけれど、こういった横のつながりには存分に助けられている、と山口さんは続ける。

仕事も育児も家事も完璧にやっていて、かつ、美人……みたいな人が雑誌にロールモデルとして出ていたとしましょう。

でも現実で目の前にしたら、きっと自分と比べて凹むだけで、その人に相談にいく気はなくなってしまう。それこそロールモデルに見合った、格好いい相談事を創作しちゃうんじゃないかな(笑)。

もし私が後輩に何か言葉をかけるとしたら、自分が若い頃に経験した壮絶なダメ話や、挫折したことを話してあげたい。

そのうえで、あなたは今、登山でいうと人生の3合目くらいだから大丈夫。今は山の中腹にいるから先が見えなくて心配かもしれないけれども、その課題はきっと登った先で解決しますよって伝えたい。

私も決して直線で、一気に山を登ってきたわけではないですしね。