苦しみを捨てるヒントは通販番組にあり?

私たちは苦しみを抱えながら生きている、とはいうものの、仕事や学校を休んでまで、「今日は苦しみについて考えてみよう」と行動に移す人はいませんよね。

でも、ブッダはそれを実行しました。

『自分という壁  自分の心に振り回されない29の方法』(著:大愚元勝/アスコム)

人生のすべてを投げ出して、心の苦しみを徹底的に見つめてみよう―これがいわゆる“出家”であり、それを行ったのがブッダでした。

そして、考え抜いた末に、4つの真理にたどり着きます。

ブッダが発見したのは四諦八正道(したいはっしょうどう)。

四諦とは「苦(く)」「集(じゅう)」「滅(めつ)」「道(どう)」から成る4つの聖なる真理のことを指しています。

「苦」とは、文字どおり、私たちが持つ苦しみのこと。
「集」とは、苦しみを生むさまざまな要因、メカニズムのこと。
「滅」とは、苦しみの原因を知り、それを減らしていくこと。
「道」とは、苦しみを手放すための方法のこと。

この四諦については、通販番組のセールスレターで考えるとわかりやすいかもしれません。

「みなさん、お掃除って大変じゃないですか?」(苦)
「家事や育児をしたり、仕事をしたり、毎日なにかと忙しいですよね」(集)
「そんなとき、自動的にお掃除が済んでいたらすごく助かるでしょう」(滅)
「そこでご紹介したいのが、この***です!」(道)

この通販番組のセオリーこそが、まさに四諦の流れそのものです。

生きることには苦しみがある。
苦しみには原因がある。
苦しみの原因がわかれば、減らしていくことができる。
苦しみをなくす方法がある。

ブッダは、人々が興味を持ちやすいように、あえてこのような順番で説かれたのです。

ちなみに、「道」の種類が8パターンあることから八正道というのですが、これについては少し難しい話になってしまいますので割愛いたします。

要約するのであれば、生活するうえで気をつけるべき“8つの心構え”が八正道によって示されているとお考えください。