セミヌード女優との再会
このセミヌード女優とは、婚活アプリ内で再会する。プロフィール写真が替わっていたので彼女とはわからず申し込んだら、マッチングが成立したのだ。
「お久しぶりです」
彼女からのメッセージに怯えた。仕事上の知り合いの女性だと思ったのだ。
「ご無沙汰しております」
相手の正体もわからないまま、レスポンスした。
「私、わかりましたか?」
パソコンのズーム機能で拡大し、彼女だと気づいた。
「はい。変わらずおきれいなので、つい申し込んでしまいました」
取り繕った。
「やっぱりね」
彼女は変わらず、自信満々だ。懐かしくて申し込んでしまったと言い訳をして、直接の対面をせずに撤退した。やりとりのなかで、彼女が婚歴3回になったと知った。
以前婚活関係の本を書いたとき、プロモーションで出演したラジオ番組のアシスタントの女性も婚活アプリやパーティーを利用していると話していた。30歳くらいだろうか。童顔でかわいらしかった。モテそうだけど、一年以上恋人はいないと打ち明けられた。
ラジオ番組ではCMや音楽を流す時間があり、マイクはOFFになる。そのとき彼女に、いい婚活ツールを選ぶコツなど、質問攻めにあった。
婚活には楽しいこともある。心を痛めつけられることもある。エンタテインメントだ。女優やアナウンサーのようなふだんの生活では接点のない女性と知り合える。うまくいけば二人で食事もできる。さらにはセミヌード写真も送ってもらえる。深い関係にもなる。
こういう状況が婚活中毒者を増やす。
※本稿は、『婚活中毒』(星海社)の一部を再編集したものです。
『婚活中毒』(著:石神賢介/星海社)
イケメンとはほど遠い容姿、身長は166センチ、バツイチ、58歳、それでも婚活で出会った女性は300人以上。楽しい婚活ライフを送る著者にやがて訪れる永久婚活状態とソロ人生を歩む覚悟とは? アプリ、相談所、パーティー、バスツアー……。いとも簡単にマッチングできる現代の婚活を実体験から描く。すべての成婚したい人必読の書。