ひたむきな心を感じる対戦
今場所は、豊昇龍、大栄翔、若元春の3関脇が3場所合計33勝をあげて大関同時昇進することを期待してはじまった。しかし、その33勝から大栄翔と若元春は脱落。私は二人を応援していたので、33勝にこだわらずに大関にしてくれないかと思っていた。
しかし14日目、若元春は立ち合いで左に飛んで、結局は小手投げで豊昇龍に負けた。続いて登場した大栄翔は、前頭5枚目・阿武咲との対戦で、立ち合いに左に動いて、はたき込みで勝った。脱落した時こそ、二人には対戦相手に真っすぐに向かって行き、自分の相撲を取り切って欲しかった。この取組を見たので、よけいに霧島と朝乃山のひたむきな心を感じる対戦に泣けた。
ところで読売新聞(7月18日発行)の投書欄「気流」に、「大相撲 品格忘れてないか」というタイトルの投書があり、一部を引用させていただくと、「最近テレビ観戦をしていて、土俵下に転落して土が付いた力士に、勝った力士が手を差し伸べるのをほとんど見かけなくなったような気がすることです。」と、村田茂さん(75歳)が品格がなくなることを心配されていた。
確かに、手を差し伸べる力士は少なくなっている。かなり前のことだが、大相撲の海外公演があり、勝った力士が負けた力士に手を差し伸べる光景に大拍手が送られ、力士たちが日本にいる時よりも手を差し伸べている姿が放映されたのを見たことがある。
しかし、ベテランの上位力士が新入幕の力士に負けた時、手を差し伸べられるのは嬉しくないのではないか?これは場所前にいつも放送される膨大なデータや力士へのアンケートで大相撲の真実を解明するNHKテレビの「大相撲どすこい研」で調査して放送してほしい。
「土俵から落ちて悔しいあなたは、勝った力士に手を差し伸べられたいですか?」、「相手が転んだら、勝ったあなたは手をかして起こしたいと思いますか?」とか質問して、力士の本音と心境を知りたい。