世果中には土地の音楽に合わせてさまざまな楽器が(写真提供◎中脇さん 以下すべて)
新型コロナ下での生活も3年となり、これまでよりストレスを感じて暮らしている方も多いのではないでしょうか? ステイホームでも、一人でもできる、自分を癒したり元気づけたりする習慣をもっていることは、精神の安定や免疫UPにも役立ちます。Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅなどのヒット作品に携わり、アーティストやクリエイターの成功とメンタルの関連性について研究を続けている音楽プロデューサーの中脇雅裕さんの連載「美しくそして健康に 音楽のあるHappy Life」。第18回は「音楽による世界一周旅行part2」です。

インドネシアのガムラン

前回の「音楽による世界一周旅行」が好評で、多くの方からメッセージを頂きました。ありがとうございました。そこで今回はpart2として前回ご紹介出来なかった国々のおすすめの音楽をご紹介いたしましょう!

前回は東周りで世界一周をしましたが、今回は西周りで行きましょう!
先ずはアジアからインドネシアのガムランです。ガムランは元々、古代ジャワ語の「たたく、打つ、つかむ」という意味の言葉「ガムル (gamel)」から来ています。最初は正にたたく事で音が出る伝統楽器の事を指していましたが、今はそれらを使った音楽そのものの名前となっています。

音楽的に複雑な構造を持つガムラン

ガムランは音楽的に複雑な構造を持っています。幾つかのメロディーが組み合わされる事で新たなメロディーが浮かび上がってきたり、テンポも突然変化したりします。ビートも今風に言うと16ビートないし32ビートが多く、クラブミュージックのドラムンベースを彷彿とさせます。また、あえて調律を合わせていない楽器同士の微妙な音のうねりも特徴とされていて、それがガムランの独特の雰囲気を出しています。

また、一口にガムランと言っても多くの種類があります。特にインドネシアの各地方によって様式が分かれ、主にジャワ島の西では「唄」を中心にしたガムランが、ジャワ島の中央部では「歌と器楽」とが織り交ぜられたガムランが盛んです。そしてバリ島では「器楽」中心のガムランが行われています。

バリ島の美しい景色

今回ご紹介するガムランはバリ島のガムランです。「Gamelan Semara Ratih(ガムラン・セマラ・ラティ)」というインドネシア・バリ島ウブド出身のパフォーマンス集団です。彼らはバリ島南部のトップミュージシャン、作曲家、ダンサー、振付師の集合体として 1989 年に結成されました。その中にはインドネシアの国立芸術アカデミーの有名な卒業生も多く含まれているそうです。つまりインドネシアのエリート芸術集団ですね。そして彼らは、そのパフォーマンスのダイナミックさ、革新性、そしてドラマチックで音楽的な幅広さで、バリ島で一躍有名になりました。この「Gamelan Semara Ratih」はバリ島、インドネシア、そして世界中でパフォーマンスを行っているそうです。

さて、インドネシアから次はインドに飛びましょう。インドの音楽も多種多様。特にインドの伝統音楽は世界中のミュージシャンに影響を与えました。特にビートルズがインド音楽に大きな影響を受けた事は有名ですね。インドの伝統音楽は本当に素晴らしいものでご紹介したいミュージシャンも沢山いるのですが、少し目先を変えて、今、世界で注目されているインド音楽「パンジャブ・ミュージック(Music of Punjab)」をご紹介しましょう。