織田の家名の存続という意味では信長次男・信雄が重要な役割を果たしたそうですが――(「本朝智仁英勇鑑」「織田上総介信長」/月岡芳年 /東京都立図書館所蔵
大河ドラマ『どうする家康』にて、織田信長の次男・信雄(のぶかつ)が豊臣秀吉から利用される様を浜野謙太さんが演じて話題になっています。『織田信長の家臣団』などの著書を持つ戦国史研究家・和田裕弘さんによると「信雄は波乱万丈の人生を送ることになるが、織田家の家名を存続させたという意味では重要な役割を果たした」そうで――。

織田信長次男・信雄とは

織田信長には、少なくとも息子が11人、息女が8人、養女も3人はいたようである(異説あり)。

代表的な織田系図の一つである『寛政重修諸家譜』所収の織田系図をもとに、兄弟姉妹を列挙すると次のようになる。

兄弟は、信忠に次いで、信雄(のぶかつ)、信孝、秀勝、信房(系図では勝長)、信秀、信高、信吉、信貞、信好、長次と続く。

姉妹は、松平信康(徳川家康の嫡男)室(徳姫)、蒲生氏郷室、筒井定次(順慶の甥で養子)室、前田利長(利家の嫡男)室(永姫)、丹羽長重室、二条昭実室、万里小路充房室、水野忠胤室(のち佐治一成に再嫁)、豊臣秀吉側室(三の丸)、中川秀政(清秀の嫡男)室、徳大寺実久室のほか、養女として苗木勘太郎の娘が記載されている。

今回は、これまであまり注目されてこなかった次男の信雄に光を当ててみたい。