9月17日の『情熱大陸』にラグビー日本代表が登場!日本ラグビーのこれまでの奮闘と、今後をつなぐ選手たちの想いに迫ります。ラグビーの代表選手は、居住年数など一定の条件を満たせば、国籍と異なる国の代表としてプレーが可能に。多様なルーツを持つ選手たちは、なぜ「日本代表」となることを選んだのでしょうか。それぞれのライフヒストリーと、秘められた熱い思いをノンフィクションライターの山川徹さんがたどります。山川さんは「廣瀬とリーチ、二人の代表キャプテン」にインタビューを行ったそうで――。
なんのために、日本代表のジャージを着るのか
2018年年末、東京都府中市にある東芝ブレイブルーパスのクラブハウスでリーチマイケルの共同取材が開かれた。私も数カ月前からインタビュー依頼を行っていたが、メディアからの取材申し込みが殺到し、個別の対応が難しい状況らしい。
当初、10人程度の記者による囲み取材かと考えていたが、予想は大きく裏切られた。広々とした会議室に駆けつけたメディア関係者は、50人以上。記者たちは、彼の言葉をメモし、その表情にカメラを向ける。
リーチには2015年W杯の1年前に、約2時間にわたって単独で話を聞いていた。W杯3勝によって生み出されたラグビー熱の高さを感じさせる光景だった。
リーチは記者たちの質問に流暢な日本語で淡々と答えていく。私にも質問のチャンスが回ってきた。数日前、発表された日本代表候補38人に、8カ国17人の海外出身選手が選ばれていた。リーチは多様なルーツを持つ選手たちをどのようにまとめていくのだろうか。
「そこは前回のW杯でキャプテンとして戦った経験が大きいです。もちろん外国人選手は特別扱いしません。なんのために、日本代表のジャージを着るのか。そのパッションを重視して引っ張っていけるようにしたいと考えています」
リーチの言葉をメモしながら私は4年前の話を思い出していた。