松本潤さん演じる徳川家康がいかに戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのかを古沢良太さんの脚本で巧みに描くNHK大河ドラマ『どうする家康』(総合、日曜午後8時ほか)。第31回では、お市の方を死に追いやった羽柴秀吉(ムロツヨシさん)に家康は激怒。打倒秀吉の意志を固める。しかし、勢いに乗る秀吉は織田信長の次男・織田信雄(浜野謙太さん)を安土城から追放、着々と天下人への道を進む。その信雄から助けを求められ――といった話が展開しました。
一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。第49回は「名前の読み方」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!
「信雄」をなぜ“のぶかつ”と読むのか
気がつけば今日はお盆。仕事も連載も休みたい!
というホンネはさておいて。今回はお休み期間らしく肩の力を抜いて、軽めの話でいきたいと思います。テーマは人名の読み方です。
ドラマでは織田信雄がここ何回か、重要な登場人物になりそうです。
秀吉から「天下人にして差し上げる」と言われるも裏切られ、家康のところに駆け込めば「信長の息子らしくしっかりしろ」と怒鳴られるなど、右往左往している信雄。
そんなこの人の名前は「のぶお」……ではなく「のぶかつ」?
「雄」は「お」ですよね。トルネード投法の野茂英雄は「ひでお」さんだし、秋田市を流れる雄物川は「おものがわ」。そうだ、「仁義なき戦い」シリーズの陰の主役、金子信雄さんもいらっしゃる。
であれば、織田信雄も「おだのぶお」が自然でしょう。なぜ「のぶかつ」と読むのか、と疑問に思われた方はいませんか?