Q:ぐっすり寝たという満足感がありません……

A:朝、目覚めたとき、「ぐっすりよく寝た」という実感があると気分よく1日をスタートできるものです。ところが、目覚めが悪く、なんとかがんばって起きてはみたもののあまり寝た気がしないとか、疲れが抜けきっておらず起きた直後からだるさを感じる場合があります。

いつもより寝る時間が遅かったとか早起きをしたわけでもなく、ふだん通りの睡眠時間にもかかわらず、熟睡した感じが得られない状態が続いている場合は「熟眠障害」が疑われます。

『名医が答える! 不眠 睡眠障害 治療大全』(監:井上雄一/講談社)

2〜3日ぐっすり眠れない日があっても、そのうち自然に解消するようならあまり心配はいりませんが、慢性的に続いていて、しかも日中眠気におそわれたり、からだがだるかったり、気分がすぐれないなどの不調があれば、熟睡を妨げている要因を探り、治療することが大切です。

熟眠障害は眠りが浅かったり、中途覚醒があったりすると起こりやすくなります。また、ストレスやうつ病、夜間頻尿、飲酒の影響などでも起こります。うつ病では、熟眠障害だけでなく入眠困難・早朝覚醒をともなう傾向もあります。

そのほか、「睡眠時無呼吸症候群」の心配もあります。睡眠中に一時的に気道が塞がって呼吸が止まっており、これを一晩中何回もくり返しているため、熟睡が妨げられてしまうのです。ふだんからいびきをかく人、いびきがうるさいと指摘される人はこの病気の可能性が考えられます。

熟睡感が得られない状態が続くと、心身の疲労がたまってやがて重大な病気につながることもあるため、放っておかず早めに医師に相談しましょう。