できないことを数えるのではなく、今の自分ができることをやろう

あちこちに不調が出て満身創痍の私ですが、それでも元気にコンサートをしたり、アルバムを出したりしています。そんな私を見て「ああ、自分も大丈夫。まだまだやれるわ!」と思っていただけたら、頑張っている甲斐があるというものです。(笑)

私も痛みで歩けない時は落ち込みますし、時には絶望感に潰されそうにもなります。B型肝炎を発症した際も「なぜ私なの?」「どうして今!?」とネガティブな思いばかり感じていました。

でも、なってしまったものは仕方ない。時間はかかりましたが、徐々に現状を受け入れ「自分なりにできることをやればいいじゃないか」と思えるようになってきたんですよね。できないことを数えるのではなく、今の自分ができることをやろうと。

人間、当たり前のように「明日は普通にやって来る」と思ってしまいますが、実際はそうじゃない。明日なんて本当に来るかどうかわからないし、コロナ禍の今は特にそうです。だからこそいつまでも後ろを向いていないで、今日できることを精一杯やることが大事なのではないか、と思うのです。

お母様とのツーショット

 

私は父をかなり前に亡くし、6年ほど前に5歳上の兄を、4年前には母を93歳で見送りました。子どもの頃に着ていた洋服は基本母の手作りで、美味しい料理もたくさん作ってくれて。既製服を着たことも、外食をしたこともほとんどなかったです。

小学生の頃、母が体調を崩したことがありました。後から聞いたら、肝臓の不調が原因だったらしいので、今思えば母もB型肝炎で、私の発症も母子感染だったのでしょうね。病気をしたりいろいろ大変な中、育ててくれたんだなと本当に感謝しています。

私は今、夫と猫と暮らしています。公私ともに支えてくれる夫には心から感謝しています。いろいろ心配もかけているなか、何でも話せる相手がいるのは本当に幸せなこと。健康な方もそうでない方も、つらい時、悲しい時、痛みがある時に、一人でもいいのでその気持ちを打ち明けられる、分かち合える人がいるといいですよね。そういう相手がいないという方には、福祉保健センターや「いのちの電話」のような相談窓口もあります。自分だけで抱え込まず、誰かに打ち明けることで心をフラットに保つことが健やかに生きる秘訣なのだと思います。