（5ページ目）斎藤工と窪田正孝が語る、理想の家族像「気持ちを本音でぶつけ合える人と一緒にいるのが理想」ホラー・ミステリー映画『スイート・マイホーム』 9月1日（金）全国ロードショー｜芸能

演者が保母さん・保父さんになってくれた

齊藤　僕は今回、演者ではなく監督として本作に携わっていますが、たとえば人によって、テストを繰り返さないほうがいい方と、テストで積み上げて本番に帰着させる方がいらっしゃいます。僕自身はどうかと言うと、テストを繰り返すとどこか飽きてきちゃうタイプなんですね（笑）。本当は何度も繰り返しできなくちゃいけないんですけど。特に映像では、瞬発的な瞬間最大風速がものを言うと思っているので。

窪田　はい。

齊藤　なのでスケジュールの問題を抜きにしても、できるだけコンパクトに、テンポよく撮影を進めていきたいという思いがありました。もちろん時間をかけるべき場面もたくさんあって、特に子どもを描くのは大変でしたね。

窪田　賢二の幼い子どもたちですね。

齊藤　そうです。初日から撮影中に寝られたりして大変だったけど（笑）、ホスピタリティにあふれた演者さんたちが保母さん・保父さんになってくれて。それがなかったら撮りきれていなかったなと思うくらい、難しい現場でした。ご自身の表現に集中したい方もいらしただろうなかで申し訳なかったですが、誰からも苦情の声は上がらず、本当にありがたかったです。

窪田　いや、全然ですよ。むしろ一緒に遊んでいて楽しかったです（笑）。コントロールが効かないだけに、子どもを映像で撮影するのは本当に難しい。でも今回、（賢二の娘役を演じた磯村）アメリたちが残したものは、実はすごく大きくて。映画の中では、夫婦の分身である子どもが2人できて、そこに子どもたちにしか見えないもの、感じられないものがあることが描かれている。ぜひ子どもたちの演技にも注目して観て欲しいなと思っています。