ゆっくりと吐ききることを意識

「ゆっくり吐く呼吸」とは、文字通り、時間をかけて「息を吐く」ことに重きを置いた呼吸法です。要点は3つあります。

第一に、「吐いてから吸う」こと。吐くときは口からでも鼻からでもどちらでもかまいません。背筋をピンと伸ばして座ったら、息をゆっくり吐いて、吐いて、吐ききってください。吐ききると、下腹部が引き締まっているはずです。吐ききったら、鼻からスッと息を吸います。

有田式「セロトニン活性」呼吸法<『5人の名医が実践する「ほどほど」健康術』より>

第二の要点は、「意識して吸わない」ことです。息を吸う時間や量は、首の動脈にあるセンサーが自動的に働くので、思い切り吸い込もうなどと意識する必要はありません。

第三の要点は、「ゆったりとした一定のリズムを繰り返す」ことです。フーーーッ……、フーーーッ……、フーーーッ……、と繰り返しましょう。

この呼吸法を5分ほど続けていると、セロトニンが活性化してきます。そして20〜30分ほどで活性のピークを迎えることがわかっています。ですから、最低でも5分、目標は20分として、毎日続けてみてください。

この呼吸法では、下腹部の筋肉を「意識しながら」行なうことが重要です。意識していなければ脳神経が働かず、セロトニンの活性にはつながりません。

座り方は自由です。座禅を組んでもいいし(腰や膝が痛む方は無理せずに)、普通のあぐらでもいい。椅子に座ってもかまいません。大切なのは、背筋が伸び、下腹部に力を入れやすい姿勢であることです。

下腹部に力を入れるコツがわからない人は、肛門(こうもん)を締めてみてください。肛門を締めると下腹部も締まります。

また、「余計なことを考えない」というのも大切なことです。お坊さんは呼吸に意識を集中させるために、「ひとーーつ」「ふたーーつ」と声に出して呼吸の回数を数えています。これを真似て、声に出して数を数えるのもいいでしょう。

「あーーー」「いーーー」「うーーー」など単純な言葉もいいかもしれません。いずれにせよ、余計なことを考えなくてもいいように、特別な意味のある言葉は使わないほうがいいでしょう。